森林セラピーのQ&A

 「山﨑山林」を北海道内唯一・全国民間運営初の森林セラピー基地に導き、森林セラピーガイドを始めたプロデューサー山中慎一朗がお客さんからのいろんな質問に対して考えたオリジナルの答えです。森林セラピーガイドをやればやるほど中央の事務局からかけ離れてゆく気もしますが、本物の森林セラピーを目指しています。

Q.森林セラピーってなんなの?
A.NPO法人森林セラピーソサエティーと森林セラピー基地全国ネットワーク会議(事務局:社団法人国土緑化推進機構)が進めている商標登録された森林浴のプロジェクトです。その定義はいまだ確立中のようで、それぞれの表現が異なります。

 森林セラピーソサエティー http://www.fo-society.jp/
「森林セラピーとは」
日本は豊かな森林を国土に持ちます。
私たちは何世代にも渡って、その惜しみない恵みを享受しながら共に、日々の暮しを営んできました。
しかし、森から離れて都市部で生活する人が増え、また社会環境や生活様式が目まぐるしく変化した今の日本において、私たちはかつてない程、多様なストレスにさらされるようになっています。
そんななか「森林浴」という言葉が生まれ、森に息づく生命や力が、私たちを癒していくことが自覚され、広まってから久しいですが、その効果については感覚的にしか語られてきませんでした。
そこで、この大いなる森の力、効果を科学的に解明・提示し、そこからの知見を基に、日本各地の森、人々と有機的に結びついて身体(心体)の健康に活かそうという試みが「森林セラピー」なのです。

 森林セラピーポータル http://forest-therapy.jp/
「森林セラピーとは」
「森林浴」から一歩進んだ「森林セラピー」
森に足を踏み入れると、一面に緑が覆い、木々や土が香り、森に息づくいのちや力を感じることができます。そしてその力は私たちを癒し、リラックスさせてくれます。
森林の持つこれらの効果は、これまでも「森林浴」として親しまれてきました。しかし、その効果については感覚的に語られてきたにすぎませんでした。一方で、現代社会ではストレスが大きな問題になっており、さまざまなストレス解消方法が求められるようになっています。そこで、この「森林浴」の効果を科学的に解明し、こころと身体の健康に活かそうという試みが「森林浴」から一歩進んだ「森林セラピー」なのです。
この研究のために産・官・学が連携して発足した「森林セラピー研究会」では、森林のもつ「癒し」効果の科学的解明や、森林の「癒し」効果の活用方法等に関する研究などを進めています。
さらに、この研究会の成果を踏まえて、具体的な森林のフィールドでの実践を普及することを目的として創設された「森林セラピー実行委員会」では、生理・心理・物理実験等により、「癒し」効果の検証等がなされた森を「森林セラピー基地」「森林セラピーロード」として認定しています。全国で安心して森林セラピーを楽しめるフィールドが各地で認定されることで、「森林セラピー 」の活動は徐々に浸透し、広がりをみせています。
「森林浴」がからだにいい理由
人類の誕生からずいぶん長い間、人々は自然の中で生活をしていました。現代では都市を中心に生活する人が増えていますが、人工的な環境の中での生活は、気付かぬうちに、さまざまなストレスを生んでいます。自然の中で生きてきた人間にとって、森林浴をするということは“人に適した優しい環境の中に身を置く”ということなのです。
このことを考えると、森林浴で気持ちがリラックスすることはもちろん、実際に身体の免疫力が上がり、血圧が低下するなどの科学的な効果が見られることも、ごく自然なことだと言えるのです。

Q.森林セラピーと森林浴とどこがちがうの?
A.上記の解説から森林セラピーは実験による科学的エビデンスの検証はされていますが、効果と内容に関しては「森林セラピー=森林浴」といった感じがします。商標登録されていることも大きな違いです。

Q.森林セラピーと森林療法はどこがちがうの?
A.森林療法の第一人者、東京農業大学の上原巌准教授が森林セラピーにもかかわっているという点で違いを明確にするのは難しいです。森林療法には目指すものが感じられますが、森林セラピーはなんでもありかと思います。中央の事務局は森林療法も森林セラピーの一要素ととらえているような感がします。ネーミングと商法登録の違いは明確です。

Q.森林セラピーってどんなことするの?
A.2008年現在、全国に35か所の森林セラピー認定地がありますが、それぞれやっていることはバラバラです。2007年から森林セラピー基地全国ネットワーク会議がそれぞれの認定地で森林セラピー案内人(ガイド、サポーター等)の養成を始めました。それぞれの認定地で特色のあるメニュー作りということで、全国統一の課題メニューや統一の名称はありません。
2008年からはNPO法人森林セラピーソサエティーの森林セラピスト、森林セラピーガイドの認定が始まり全国的な資格制度が始まりました。ペーパー試験の全国共通の教本が出版されます。

Q.森林セラピーって気功とか、ヨガ、呼吸法、アロマテラピー等を森ですることなの?
A.森林セラピーは今まで森林の中で行われていなかった補完代替療法的要素を取り入れる方向に進んでします。これは森林療法にもみられる傾向です。山﨑山林ではウォーキング、マウンテンバイク、カヌー、林業をコラボレーションしていますが、これは森林セラピーガイド1号から4号がもともと持っていたスキルにすぎません。これからも森になかった要素を取り入れるのではなく、森そのものが持っている素材を生かした本物の森林セラピーを目指します。

Q.森林セラピーは認定地でないとできないの?
A.上記の解説からNPO法人森林セラピーソサエティーと森林セラピー基地全国ネットワーク会議では認定地でないと森林セラピーはできない方向性に持っていこうと感じられます。2008年9月8日の読売新聞での記事では(独)森林総合研究所の香川隆英先生は近くの公園、大平辰朗先生は都会の公園、九州大の綿貫茂喜教授は木製品でも森林セラピーを体感できるとコメントしています。山﨑山林の森林セラピーガイドはそれぞれ山﨑山林以外の森林フィールドも活用しています。認定地以外でも森林セラピーはいつでもどこでも体感できるものとして、それぞれのお客様のお気に入りの森での継続した森林セラピーをお勧めしています。

Q.自然観察会とはどうちがうの?
A.山﨑山林の森林セラピーは自然観察会とはまったく違います。認定地以外でも森林セラピーを体感できるように、今までの森林体験会にはなかったまったく新しい森林セラピーを確立するために意欲的に差別化を進めています。他の認定地の状況はわかりませんが、いろいろな要素を取り入れることで差別化を進めているようです。

Q.なんで森林セラピーなの?
A.森林セラピーは2005年から躍進して注目も集まっています。これから森林の癒やしを追及するには森林セラピーはなくてはならない存在になるかと思います。森林療法も注目されています。森林セラピーと森林療法はどちらが怪しく感じられるのでしょうか?私は森林セラピーだと思います。しかし森林セラピーはオブザーバーが林野庁と厚生労働省となっています。たとえ怪しいネーミングでもベースはしっかりしています。皆さんに認知される時が来ることと思います。

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