森のキモチ「ツノ‐カルシウム」


「わっ!」
「リッちゃん、また見つけたね」
「ツノ?」
「そうだねシカの角。こんな道路の上で見つけたのは僕も初めてだ」
「なんでおちてるの?」
「エゾシカの角は毎年生えかわるんだ。この時期に落ちて、新しい角が生えてくるんだ。こんなに大きな角が毎年、半年間ほどで生えるんだよ。それも二本」
「すごいね」
「どんだけのカルシウムを使うのかと思うよ」
「カルシウム?」
「骨を作っている成分なんだけど、角も骨と同じだからカルシウムからできてると思うんだよね。これだけの硬くて重い立派な角を毎年生やすんだから、シカはすごいよ。いつも食べてるはずだ。リッちゃんも笹や木の皮を食べたら丈夫で立派な骨になるかもしれないよ」
「まずはシンちゃんが食べてみて。リホはそれから」

コメント