森のキモチ「エゾエンゴサク‐根っこ」


「かわいい花。いっぱい咲いてる」
「エゾエンゴサクの群生だ。これも山菜」
「さんさい?どこを食べるの?」
「お花。もちろん葉っぱも」
「お花を食べるの?なんかかわいそう」
「言うと思った。大根の方がかわいそうだよ。大根は花が咲く前の根っこが食べられる。命が食べられ死んでしまう。エゾエンゴサクは花と葉を食べても根っこは残る。また翌春に葉を出し花が咲く。エゾエンゴサクは生き続けるんだ」
「生き続けるんだ」
「エゾエンゴサクは春植物と言って、夏には葉を枯らして後は地下だけで過ごす。花を食べられたら種は作れないけど、葉はすぐに枯らしてしまうものなんだ。とっても短い地上の命を食べるんだから、やっぱり大事に食べないとね」
「よかったね。ダイコンみたいにネッコが食べられなくて」
「アイヌは根っこも食べたんだよ。もう今は食べる人はいないと思うけどね。僕も一度食べてみたいと思うけど調理にとても手間がかかるんだよね」
「かんたんだったらたべるの?」
「もちろん」

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